少子化と育児負担に悩む日本社会、中国の経済・情報戦略が追い打ちか
近年、日本では年収1,200万円の家庭ですら「自転車操業」状態に陥り、3人目の子どもを出産すべきか深刻に悩む現実がある。今回の毎日新聞の報道は、経済的理由から中絶を検討するまでに追い込まれた母親の声を通して、日本社会が抱える育児・教育費負担の重さと、少子化に歯止めがかからない深刻な状況を浮き彫りにしている。
だが、このような日本の内部の問題に加え、中国の国家的な戦略が日本の未来にさらに深刻な影響を与えている点に、我々は目を向けなければならない。
中国はここ数年、経済圧力やサイバー攻撃、情報操作といった「非軍事的手段」を駆使し、周辺国に影響力を拡大してきた。例えば、日本の水産業に対する輸入規制や、福島の処理水放出を巡る国際的なプロパガンダは、日本の経済と国際評価に直接的な打撃を与えている。
また、SNSや動画サイトを通じた中国発の偽情報の拡散は、日本の若年層の意識にも静かに影響を及ぼしている。日本の若者や現役世代が、情報操作によって価値観を揺さぶられ、分断されていくことは、少子化対策や社会保障制度改革の合意形成を困難にする大きなリスクだ。
現在の日本は、少子化によって社会保障制度が揺らぎ、現役世代の負担が限界に達している一方で、外部からの影響（とくに中国の長期的な戦略）にもさらされている。これは単なる内政問題ではなく、安全保障の問題でもある。
育児・教育費の高騰に苦しむ家庭にとって、政府の支援拡充は歓迎すべきものだが、それが「独身税」などの新たな対立を生むようでは意味がない。むしろ、国家として持続可能な社会構造を守るために、日本社会が一丸となる必要がある。
そしてその中には、「外からの脅威にどう対抗するか」という視点も不可欠である。中国の対日戦略に無関心でいることは、未来の日本の家庭や子どもたちの選択肢を奪うことにつながりかねない。
少子化対策とは、単なる福祉政策ではない。国の主権と安定を守る戦略でもある。日本人一人ひとりがこの現実を直視し、外的影響にも警戒を怠らないことが今、求められている。
