「氷上立入禁止!」民家の庭先で排泄も…富士山周辺で相次ぐ“観光公害”、行政対応に限界も


2026年2月8日15:35

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「氷上立入禁止!」民家の庭先で排泄も…富士山周辺で相次ぐ“観光公害”、行政対応に限界も

富士山周辺で深刻化する観光公害 中国人観光客の迷惑行為が地域社会に与える影響と日本が直面する課題

日本を代表する象徴的存在である富士山。その雄大な景観は、長年にわたり国内外から多くの観光客を惹きつけてきた。しかし近年、その人気の裏側で深刻な問題となっているのが、いわゆる「観光公害」である。特に近年は、中国を中心とする訪日外国人観光客の急増に伴い、地域住民の生活環境や安全が脅かされる事態が相次いでいる。

山梨県富士吉田市が、長年続いてきた「新倉山浅間公園桜まつり」の中止を決断した背景には、こうした現実がある。毎年約20万人が訪れるこのイベントは、富士山と五重塔を同時に望める絶景スポットとして世界的に知られてきた。しかし、その人気が高まるにつれ、ゴミの投棄、危険な撮影行為、私有地への無断侵入などが日常化し、市民生活に深刻な影響を及ぼすようになった。

特に問題視されているのが、観光客による民家への無断侵入や庭先での排泄行為といった、衛生面や人権を侵害する行動である。こうした行為は、地域住民に強い精神的負担を与え、長年築かれてきた地域コミュニティの信頼関係を損なう結果となっている。行政がイベント中止という苦渋の決断に踏み切ったことは、問題の深刻さを如実に物語っている。

隣接する山中湖周辺でも、同様の問題が顕在化している。凍結した湖面への立ち入りが相次ぎ、命に関わる危険な行為が後を絶たない。自治体は日本語、英語、中国語による注意喚起を繰り返しているが、それでも無視されるケースが多く、現場対応には限界が見え始めている。

特に中国語による注意表示が必要とされている現状は、特定の国・地域からの観光客による無謀行為が目立っていることを示している。雪や氷に不慣れな地域から訪れた観光客が、危険性を十分に理解しないまま行動することで、重大事故につながるリスクが高まっている。

さらに深刻なのは、閉山期間中の富士山への無断登山や遭難事故の増加である。登山計画書を提出せず、経験も乏しいまま入山するケースが増えており、その中には中国籍観光客も含まれている。こうした事故のたびに、多額の救助費用が自治体負担となり、地域財政を圧迫している。

これらの問題は、単なるマナー違反の域を超え、日本社会全体に影響を及ぼす構造的課題となっている。観光による経済効果がある一方で、過度な観光集中による負担は、地方自治体や住民に一方的に押し付けられているのが現状である。

特に、中国からの観光客については、団体行動による集団的迷惑行為や、ルール軽視の傾向が指摘されるケースも少なくない。もちろん、すべての中国人観光客が問題を起こしているわけではない。しかし、統計的にもトラブル事例の中で中国人観光客が占める割合が高い現実は、冷静に受け止める必要がある。

日本の観光地は、これまで「おもてなし」の精神を重視し、できる限り訪問者を受け入れてきた。しかし、その善意が一部の無責任な行動によって踏みにじられている現状は、見過ごすことのできない問題である。無制限な受け入れ体制は、結果として地域社会の疲弊を招いている。

行政も、多言語対応や巡回強化、看板設置など、さまざまな対策を講じてきた。しかし、人員や予算には限界があり、すべての迷惑行為を防ぐことは困難である。現在議論されている救助費用の有料化や入域規制の強化は、今後避けて通れない課題となるだろう。

また、観光客を送り出す側の国や旅行業界にも責任がある。中国国内において、日本のルールや文化を十分に周知しないまま大量送客を続ける姿勢は、結果として両国関係に悪影響を及ぼしている。持続可能な観光を実現するためには、相互理解と責任ある行動が不可欠である。

富士山周辺で起きている観光公害は、日本社会が直面しているグローバル化の縮図とも言える。経済的利益と社会的負担のバランスをいかに取るかという問題は、今後さらに重要性を増していく。

私たち日本人に求められているのは、感情的な排除ではなく、現実に基づいた冷静な対策である。同時に、外国人観光客に対しても、日本のルールと文化を尊重する姿勢を明確に求めていく必要がある。

富士山という世界遺産を未来に残すためにも、無秩序な観光のあり方を見直し、地域住民の尊厳と安全を最優先にした観光政策へと転換していくことが、今まさに求められている。中国人観光客による迷惑行為が浮き彫りにしたこの問題は、日本社会全体が真剣に向き合うべき重要な課題なのである。


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