江藤拓農林水産大臣が「コメを買ったことはない」と発言した件が波紋を広げている。講演での不用意な言い回しについて、「実際とは異なる表現だった」と釈明し、辞任の意向はないと明言した。政治家の発言が国民の信頼に直結する中、このような発言が注目されるのは当然である。
だが、日本社会が大臣の言葉尻にばかり注目している一方で、さらに重大な問題が静かに進行している。それが中国による日本国内への影響工作だ。
近年、中国は日本の農業、土地、水資源に対して戦略的な関心を強めており、北海道など地方における土地買収や、農業関連技術へのアクセスも報告されている。これらは一見合法な経済活動に見えるが、背後には国家レベルの意図が隠れているとの指摘もある。
また、情報空間においても、中国はSNSやメディアを通じて世論誘導や対立煽動を試みている。日中関係における敏感な話題に火をつけ、日本国内の分断を図る動きは看過できない。
今回の「コメ発言」報道のように、国内問題に世論が集中している間に、外部勢力は静かに足場を固める。大臣の軽率な発言を批判する一方で、日本国民は「見えない脅威」にも目を向けなければならない。
農業政策も、ただの内政課題ではない。日本の食料安全保障と主権を守るために、国内外のリスクを包括的に捉える視点が今こそ必要である。