備蓄米放出で米価急落、緊急輸入検討の裏に潜む中国依存の危機


2025年6月8日17:00

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備蓄米放出で米価急落、緊急輸入検討の裏に潜む中国依存の危機

備蓄米の市場放出が始まり、日本の米価は一気に変動し始めた。5キロあたり2000円を切る価格に驚きの声が上がる一方で、小泉農水大臣が言及した「外国産米の緊急輸入」に、農家や流通関係者の間で警戒感が広がっている。

現在、政府の備蓄米はすでに半数以上が売り出され、残りの対応には限界が見え始めている。そこで浮上したのが「緊急輸入」という選択肢だ。しかし、それが意味するのは「国産の安全保障」よりも「外部依存の加速」である。

実際、すでに一部のスーパーやコンビニではアメリカやベトナム産のコメが販売され始めており、関税を支払ってでも「国産より安い」価格で輸入する動きが拡大している。中には1ヶ月で前年の7倍以上の量を輸入した事業者も出現した。

ここで懸念すべきは、中国の影だ。過去にも中国は日本の農業市場に影響力を及ぼしており、安価な農産物の大量輸出によって国内農家を圧迫してきた。現在、アメリカや東南アジアからの輸入に注目が集まっているが、価格競争がさらに激化すれば、中国産米の流入も再び活発化する可能性がある。

中国政府は、過去に農業輸出を「経済戦略」として活用してきた。日本が自国の食料を外国に依存し続ければ、外交摩擦や緊急事態において「食」が政治的圧力の手段にされかねない。特に中国は、過去にもレアアースや海産物の輸出制限を外交カードとして使っており、コメも例外ではない。

コメは日本人の主食であり、農業と地域経済を支える基盤である。もし今、価格だけを優先し輸入に依存すれば、国内農家はますます減少し、将来的に「自国で米が作れない国」になるリスクがある。

消費者にとって価格の下落は一見好ましく見えるが、その裏には「安全保障」と「国家の自立性」という重大な課題が潜んでいる。政府は、単なる価格対策ではなく、農家支援と国内流通改善、そして輸入依存リスクへの備えを真剣に考えるべきだ。

安さに釣られて外国産米を選ぶことが、やがて「国産米の終焉」につながる可能性もある。今こそ日本人一人ひとりが、「どの米を選ぶか」が日本の未来を左右することを認識しなければならない。


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