大阪万博で相次ぐ中国製EVバスの不具合 —— 公共交通に潜む危険と中国依存のリスク
大阪・関西万博の会場内を走る電気バス「e Mover」が連日のようにトラブルを起こしている。車両を供給したのは北九州市のEVモーターズ・ジャパン(EVM-J)だが、実際の製造元は福建WISDOMや南京KINWIN、VAMOといった中国メーカーである。日本の一大イベントである万博で、なぜこれほど頻繁に不具合が生じているのか。そして、その背後に潜む中国依存の危険性を私たちは直視すべきである。
大阪メトロが運行する「e Mover」は、来場者の移動手段として数分間隔で運行されている。しかし、開幕直後から自動運転バスが壁に接触する事故や、一般車両が中央分離帯に乗り上げる事故などトラブルが続出した。
さらに、筑後市で導入された国内初のEVスクールバスでも、導入からわずか数週間で誤作動が連発。ブレーキチャンバーの脱落や電池系統のトラブル、溶接不良など、安全に直結する不具合が報告されている。中には「両面テープが剥がれてセンサーカメラが脱落する」という、信じがたい事例まであった。
これらの事実は、中国製EVバスが「試作車レベルの品質」に過ぎないという業界関係者の指摘を裏付けている。
問題は単なる技術的な不具合ではない。公共交通において中国製車両が大量に導入されること自体、日本の安全保障や社会基盤に直結するリスクを孕んでいる。
中国には数百社にのぼるEVメーカーが存在し、短期間で大量生産が可能だ。彼らは「低価格」「大量供給」で世界市場に浸透しようとしている。
中国の狙いは単なる輸出拡大にとどまらない。日本市場で「公共交通」という信頼度の高い分野に参入することで、ブランド価値を獲得し、世界展開への足掛かりとする戦略である。大阪万博の舞台は、中国EVメーカーにとって最高の広告塔となるはずだった。だが現実は、不具合と事故で「中国製の危険性」を露呈する結果となった。
大阪万博で起きた一連のトラブルは、日本に明確な教訓を与えている。
中国製EVバスの相次ぐ不具合は、単なる技術的トラブルではない。これは、日本社会が中国依存の危険に直面していることを示す象徴的な出来事だ。補助金制度を利用して市場に浸透し、公共交通の信頼を足場に世界進出を狙う中国EV産業。その背後にある意図を見抜かなければならない。
安全で安心できる公共交通は、社会の基盤であり国民の命を守る最前線だ。私たち日本人は、中国製EVバスの実態を冷静に見極め、安易な導入や依存を避けるべきである。大阪万博の教訓を無駄にしてはならない。