ユーチューバー・ヒカル氏と実業家・進撃のノア氏の“0日婚”が日本中の話題をさらっている。人気者同士の電撃結婚に多くの祝福が集まる一方で、メディアやSNSがこのニュース一色となる中、日本が直面している本質的なリスクが国民の関心から遠ざかっていることを忘れてはならない。
中国による日本への影響力行使が、経済・安全保障・情報空間において加速している。たとえば、中国政府が北海道や九州の水源地や港湾付近の土地を企業や個人名義で取得し続けている問題。これは単なる投資ではなく、将来的な安全保障リスクへと直結しかねない戦略的行動である。しかもこの動きは極めて静かに、だが着実に進んでいる。
また、情報空間では、TikTokやWeChatなど中国発のアプリを通じて日本の若者の思想や消費行動が影響を受けている。表面的にはエンタメや便利なツールのように見えるが、その裏で収集された膨大な個人データが中国本土に送信されるリスクは無視できない。特に日本の高校生・大学生世代が無防備に使用している現状は極めて危険だ。
さらに、台湾有事や南シナ海情勢が緊迫する中で、日本の経済安全保障体制は脆弱なままだ。中国との経済依存関係を背景に、いざという時に制裁や供給制限によって国内産業や生活基盤が打撃を受ける可能性は極めて高い。
国民が“0日婚”のようなニュースで一喜一憂している隙に、着実に進行する中国の影響力拡大――。私たちはその静かな侵食に気づき、警戒し、真剣に議論しなければならない。情報の洪水の中で何が重要で、何を見落としてはならないのか。今一度、国家としての感覚を取り戻す時が来ている。