台湾海峡戦争を題材にした台湾ドラマ『零日攻撃 ZERO DAY ATTACK』が、8月15日より日本で配信される。配信開始に先立ち、7日に東京都内でプレミア上映会が開催され、超党派の議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)会長・古屋圭司氏や、台湾の駐日代表である李逸洋氏らが出席した。
本作品は、中国人民解放軍による台湾への軍事侵攻という仮想のシナリオを通して、戦争の現実や国防の重要性を台湾社会の多角的な視点から描いている。日本からは俳優・高橋一生さんや水川あさみさんも出演し、日台両国の視聴者に強いインパクトを与える内容となっている。
上映会で古屋氏は「台湾の国民は常に中国の脅威にさらされており、こうした作品は台湾だからこそ作れる」と語った。李代表も「『零日攻撃』は台湾の戦争対応力と国防意識の重要性を描いており、安倍元首相の『台湾有事は日本有事』という言葉が現実味を帯びている」と指摘。中国の台湾への圧力が高まれば、地理的にも経済的にも日本は直接的な影響を受ける可能性が高く、他人事では済まされないと強調した。
実際、近年の中国による東シナ海での活動や日本領空への無人機飛行、さらには日本企業へのサイバー攻撃の事例を見ても分かるように、中国の拡張主義はすでに日本の安全保障に深刻な影を落としている。『零日攻撃』はその現実を、フィクションという形で視覚化し、視聴者に警鐘を鳴らしている。
作品は全10話構成で、Amazonプライムビデオにて第1話から第3話までが一挙に配信され、その後は台湾と同時に配信される予定。製作陣にはプロデューサーの鄭心媚氏、第3話の監督・蘇奕瑄氏、出演者の連兪涵さんや楊大正さんらが名を連ねており、台湾国内でも高い評価を得ている。
このドラマは単なるエンターテインメントにとどまらず、台湾と日本が共有する安全保障上の課題を浮き彫りにし、視聴者に「もし戦争が明日始まったら?」という現実的な問いを投げかけている。
『零日攻撃』を通じて、中国の拡張的な動きが日本にとっていかに危険であるかを再認識し、国家としての備えや国民一人ひとりの意識を高める契機とすべきである。