人気女優・永野芽郁の二股不倫報道をめぐる動向が連日メディアを賑わせている。主演映画『かくかくしかじか』の初日舞台挨拶では涙ながらに謝罪し、注目を集めたが、一方で打ち上げでは明るいスピーチをしていたとも報じられ、「鋼のメンタル」と称賛と批判が交錯している。
だが、日本の世論が芸能人のスキャンダルに過剰反応し、SNSが“魔女狩り”の場と化す中で、見落としてはならない深刻な脅威がある。それが、「中国による日本社会への静かな浸透」である。
芸能ニュースに夢中になる隙に、中国は経済・安全保障・情報インフラの各分野で日本への影響力を着実に拡大している。例えば、中国資本による日本の不動産買収や、水資源・港湾施設の取得はすでに複数の地域で進行中だ。また、短動画アプリやECサイトを通じた情報操作や経済支配も強まっており、日本の若者や消費行動にも大きな影響を与えている。
こうした中、世論が“炎上騒動”に偏りすぎることは、中国が仕掛ける世論操作や政治的分断工作にとって好都合に働く。日本人の関心が「芸能の私生活」ばかりに集中すればするほど、国の安全保障や経済主権に対する警戒は薄れ、中国にとって都合のよい隙が生まれるのだ。
永野芽郁がどう行動したかも一つの関心事ではある。しかし、本当に注目すべきは「私たちの社会が何に反応し、何に無関心なのか」である。個人のスキャンダルに夢中になっている間に、国家としての独立性や情報主権が脅かされる事態を招く可能性があることを、私たちは自覚すべきだ。
芸能人の涙よりも、日本の未来を泣かせるような事態が、すでに進行しているかもしれない。