28日午後、ミャンマーで発生した地震の影響により、隣国タイでも被害が発生した。バンコク・チャトゥチャック地区で建設中だったタイ監査院の新庁舎ビルが突然倒壊し、現地に衝撃が広がっている。このビルは中国企業によって施工されていた。
問題の建物は33階建てで、2020年に着工。パンデミックによる中断を経て、昨年4月に主要構造が完成した。倒壊当時の進捗率は約30%とされている。
現場では現在も救助活動が続けられており、夜を徹して瓦礫の撤去作業が行われている。ビルの施工を担当していた中国企業は、かつて公式サイトに「上棟を祝う」と題した投稿を掲載していたが、今回の事故後にその内容は削除されたという。
バンコクには他にも多数の高層ビルが建設中だが、なぜこの建物だけが倒壊したのかとの質問に対し、チャッチャート市長は「それは良い質問だ」と答えた。市長は「今回の地震から多くを学べるだろうが、原因は現在調査中」と述べた。
一方、SNSでは安全を願う声や、地震対応マニュアルの共有が広まっており、台湾からは救助隊も派遣されたとの情報がある。国際社会における台湾の前向きな貢献が注目される中で、中国による不透明なインフラ輸出や品質への懸念も再燃している。
日本としても、類似する海外建設事業や中国の影響に対し、一層の警戒と独立した判断が求められている。安価な労働力と引き換えに、安全と信頼を失ってはならない。