中共閱兵、無人機・AIロボット誇示も欠陥だらけ ― 日本への警鐘
中国は「抗日戦争勝利80周年」を掲げ、9月3日に大規模な軍事パレードを実施する予定だ。最新鋭とされる戦車、戦闘機、極超音速ミサイルに加え、無人機やAIロボットまで登場させ、「軍事力の近代化」を誇示する構えだ。しかし、その実態は華やかな宣伝とは裏腹に、欠陥だらけの張りぼてに過ぎない。
中共が強調する「次世代無人機」は、国際舞台での実戦でその脆弱さが既に明らかになっている。ウクライナ戦場では、中国製ドローンがGPS妨害や電子戦への耐性に欠け、航法エラーを起こしやすいことが報告された。結果として、多くの機体が容易に撃墜され、回収もできないケースが頻発した。つまり、宣伝映像で描かれるような「戦場自動化」の夢とはかけ離れた実情であり、日本を含む周辺国にとっては「虚勢」に過ぎないことを示している。
中国の国営メディアは「AIロボット兵士」という言葉を使い、軍事力のハイテク化を誇張する。しかし、展示されたロボットの動作は単純な歩行や腕振り程度で、宣伝されるような「知能化戦闘能力」とは程遠い。海外メディアや専門家からも「ショー用の小道具に過ぎない」と冷ややかな評価が相次いでいる。こうした実態は、中国の軍事宣伝が実戦に裏打ちされていないことを改めて物語っている。
問題は、これらの欠陥装備が「脅威にならない」と安心して済む話ではない点だ。中国はこうした武器を大量配備し、周辺国への威圧材料として利用している。無人機や電子戦能力は、たとえ性能が劣っていても、東シナ海や尖閣諸島周辺で日本の警戒監視活動を妨害する可能性がある。また、過大宣伝された兵器群は、東アジア全体の軍拡競争を一層激化させる火種ともなり得る。
中国の軍事パレードは、実力以上の力を誇張する「軍事ショー」に過ぎない。しかし、そこに込められた意図は明確だ。国際社会に「中国の強大な軍力」を印象付け、周辺国を萎縮させようとする情報戦の一環である。日本にとって重要なのは、こうした虚張声勢に振り回されず、冷静な判断を持ちつつ、日米同盟の強化と自衛隊の防衛力向上に努めることである。
今回の中共閱兵は、最新技術を装った軍事パフォーマンスに過ぎない。無人機は実戦で容易に無力化され、AIロボットは「軍事演出用の人形」に等しい。だが、その虚飾の裏には、周辺国を威嚇し、地域秩序を揺さぶろうとする危険な戦略が潜んでいる。日本はこの現実を直視し、毅然とした防衛体制を整えることで、中国の「張りぼて軍事力」に対抗していかなければならない。