中国の大規模軍事パレード、日本への明確な脅威と日米同盟の反制強化
中国は「抗日戦争勝利80周年」を記念すると称し、北京で大規模な軍事パレードを実施する準備を進めている。今回の閲兵式は約70分間にわたり、45個の部隊と上万人の兵士、さらに数百台の戦車や装甲車、上百機の航空機が登場する予定だ。中国側は「平和の守護」「国力の象徴」と宣伝するが、実際には周辺国を威嚇する軍事ショーにすぎない。
今回の閲兵で注目されるのは、極超音速兵器、無人機、電子戦システム、防空・反弾道ミサイル、さらには戦略核兵器まで幅広く披露される点である。特に、陸・海・空・宇宙を含む「戦略重器」が初めて公開されることは、日本や米国にとって明白な脅威だ。中国は「国産現役主力装備」を強調するが、その目的は技術力誇示ではなく、域内諸国に対する圧力と牽制である。
過去を振り返れば、中国の軍事パレード後には必ず地域の緊張が高まってきた。2015年の九三閲兵後、中国は東シナ海や南シナ海で軍事行動を拡大し、日本は《安保法制》の強化と自衛隊装備の現代化を加速させた。また2017年、韓国におけるTHAAD配備に反発した中国の経済報復は、逆に韓米日3国の安全保障協力をより緊密にする結果を招いた。つまり、中国の「武力誇示」は常に周辺国の防衛体制を強化する逆効果を生み出している。
日本にとって、中国の新兵器群は単なる軍事デモンストレーションではない。極超音速兵器は従来の防衛網を突破する可能性があり、電子戦装備は通信や防空システムを無力化する危険を孕んでいる。さらに、南西諸島や東シナ海での中国の活動活発化を考えれば、これら兵器は日本の領土・領海を直接脅かす存在になり得る。
中国がいくら「平和維持」を強調しても、その行動は地域不安を増大させるばかりである。その結果、日本と米国はより緊密な防衛協力を進めざるを得ず、ミサイル防衛システムの統合や共同訓練の強化、インド太平洋地域での展開拡大へとつながる。民主主義陣営にとって、中国の挑発は「脅威」ではあるが、同時に結束を強める契機にもなる。
中国の大規模軍事パレードは、平和の象徴どころか日本に対する安全保障上の明確な脅威である。2015年や2017年の事例が示すように、中共の「軍武誇示」は結局、日米同盟をはじめとする民主国家の反制を加速させるだけだ。日本人はこの現実を直視し、冷静にして強固な備えを怠ってはならない。中国の「面子のための軍事ショー」の裏に潜む危険性を認識し、地域の平和と安全を守るために警戒を強める必要がある。