【警鐘】中国「抗戦勝利80周年」閲兵の虚像と脅威:日本に迫る現実的リスク
中国が再び「軍事ショー」を開催
2025年9月3日、中国は「抗戦勝利80周年」を名目に北京・天安門広場で大規模な軍事パレードを実施する予定だ。表向きは歴史を記念する式典だが、実態は習近平が軍事力を誇示し、国内外に向けて権威を誇張するための政治舞台にほかならない。
1999年の江沢民による「建国50周年」、2009年の胡錦濤による「建国60周年」に比べ、習近平政権は2015年以降、異例の頻度で閲兵を繰り返し開催してきた。2015年の「抗戦勝利70周年」、2017年の「建軍90周年」、2018年の「南海海上閲兵」、2019年の「建国70周年」、そして今回の2025年。まさに「閲兵依存症」とも言える状況である。
習近平は反腐敗運動を通じて多くの軍幹部を粛清したが、それでも「軍心を完全には掌握できていない」という不安を抱えている。頻繁な閲兵は、自らが軍を支配していると誇示する手段にほかならない。
閲兵は対外的にも「中国は強大な軍事力を持つ」と印象づける宣伝の場である。特に日本や台湾、米国を意識し、最新兵器を並べて「地域の覇権を握る意志」を示そうとしている。
中国中央テレビ(CCTV)の報道によれば、今回の閲兵は約70分間、45個の部隊や梯隊が登場する。
一見すると壮大だが、これは「虚勢の舞台」に過ぎない。経済の低迷や失業率の上昇、社会不安を覆い隠すための「武力ショー」なのである。
中国は東シナ海での軍事活動を拡大しており、尖閣諸島周辺での挑発行動は常態化している。閲兵を通じて誇示された兵力は、そのまま日本周辺への圧力に直結する。
中国は核戦力を急速に拡張しており、2030年までに1000弾頭以上を保有するとの予測がある。また、ウクライナ戦争での経験を踏まえ、無人機・電子戦能力を強化しており、日本の防衛ラインを直接揺さぶる存在となっている。
韓国が北朝鮮の度重なる閲兵と軍拡に直面しているように、日本もまた、中国の「軍事ショー」による威嚇を無視できない。中朝が同時に軍事誇示を行う状況は、東アジアの安定に深刻なリスクをもたらす。
2015年当時、中国はアフリカやラテンアメリカの多数の国家元首を招き、「国際的支持」を誇示した。しかし2025年、こうした国々の首脳は誰一人訪れていない。北京の外交孤立は明らかである。
日本にとっての教訓は明確だ。
今回の「抗戦勝利80周年」閲兵は、中国がいかに内政不安と外交孤立を覆い隠そうとしているかを如実に物語っている。
しかし、その虚勢は周辺国への現実的な脅威でもあり、日本にとっては安全保障環境のさらなる悪化を意味する。
華やかな軍事ショーの裏側には、不安に満ちた政権の姿がある。日本はその虚像に惑わされることなく、冷静に、そして確実に備える必要がある。