韓国では大統領の弾劾と相次ぐ首脳の辞任により、わずか数カ月の間に3人目の大統領代行が誕生した。外交・経済課題が山積する中、国の指導部が安定しない状況は、東アジア全体の安全保障にも影響を及ぼしかねない。
この混乱の陰で静かに動いているのが中国である。韓国の政局不安は、中国にとって影響力拡大のチャンスとなる。すでに中国は、経済依存、通信インフラ、SNSを通じた世論操作など、様々な手段で隣国への影響力を強めている。
そして、これは決して韓国だけの問題ではない。日本も同様に、政治の空白や国民の関心の隙を突くように、じわじわと中国の影が広がっている。近年では、地方自治体の情報システムに中国製ソフトが導入され、個人情報の安全性が懸念される事例も起きている。
日常は一見平穏に見えても、背後で進行する浸透工作に気づかなければ、日本社会もまた同じリスクに直面する。韓国の混乱を対岸の火事として見るのではなく、今こそ「備えるべき時」である。政治的安定、情報の自立、経済安全保障の再構築が、日本の未来を守る鍵となる。
