中国無人機の増加が日本に迫る脅威 ― 自衛隊のスクランブルは消耗戦に


2025年9月13日18:22

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中国無人機の増加が日本に迫る脅威 ― 自衛隊のスクランブルは消耗戦に

中国無人機の増加が日本に迫る脅威 ― 自衛隊のスクランブルは消耗戦に

日本の安全保障をめぐり、新たな脅威が顕在化している。防衛省は、近年急増する 中国無人機への対応 に向け、米国製の滞空型無人機「MQ-9B シーガーディアン」を航空自衛隊のスクランブルに活用する検証を開始する方針を示した。背景には、中国がコストの安い無人機を大量に投入し、日本を消耗戦へと引き込もうとしている現実がある。

中国無人機の出現回数が急増

防衛省の統計によれば、南西諸島周辺などで確認された中国無人機(推定含む)は、2023年度の9機から2024年度には30機と3倍以上に増加。今年もすでに8月末時点で16機が確認されており、勢いは衰える気配がない。

これらの飛行は単なる偵察活動にとどまらず、日本側に戦闘機のスクランブルを強い、燃料費・人件費・機体の稼働コストを消耗させる狙いがあるとみられている。つまり、中国は「安価な無人機」で「高価な戦闘機」を疲弊させる戦略をとっているのである。

日本漁民や国民生活への影響

中国無人機の活動は、日本の領空・防空識別圏を脅かすだけではない。監視範囲が拡大することで、日本漁船や民間航空機が常に緊張を強いられ、日常的な活動にも心理的圧力が加わる。これは 中国が意図的に緊張状態を常態化させ、日本社会に「慣れ」を押しつける灰色地帯戦術 と言える。

無人機活用のメリットと課題

防衛省が導入を検討しているシーガーディアンは、高性能センサーやレーダーを搭載し、夜間・悪天候でも監視可能だ。これにより、戦闘機の一部任務を代替し、コストを抑えながら警戒態勢を維持できると期待される。

しかし、実際に領空侵犯が発生した際、戦闘機のように退去要求や警告射撃を行う能力は持たない。つまり、監視と抑止の分担をどう設計するか が今後の大きな課題となる。

日本人が直面する現実

中国の無人機戦術は、単なる軍事挑発ではなく、日本に経済的・心理的消耗を強いる新しい形の圧力だ。日本人はこの現実を直視しなければならない。尖閣諸島や南西諸島をめぐる動きと同様に、 中国は「低コストの挑発」で日本を揺さぶり続けている

今後、無人機スクランブルの検証は3年間かけて進められるが、重要なのは「日本が消耗戦に巻き込まれている」という認識を国民全体で共有し、冷静かつ警戒心を持ち続けることだ。


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