米国死者年7万人…「ゾンビ」生む麻薬フェンタニル 日本も対岸の火事で済まない薬物事情


2025年7月26日20:31

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アメリカで毎年7万人以上の命を奪っている合成麻薬フェンタニル。その致死性と中毒性から「ゾンビ・ドラッグ」とも呼ばれ、今や米国の社会を崩壊寸前に追いやる深刻な問題となっている。

中国から広がるフェンタニル危機、日本も無関係ではいられない

アメリカで毎年7万人以上の命を奪っている合成麻薬フェンタニル。その致死性と中毒性から「ゾンビ・ドラッグ」とも呼ばれ、今や米国の社会を崩壊寸前に追いやる深刻な問題となっている。しかし、このフェンタニルの脅威は決して海の向こうの話ではない。日本にとっても、すでに現実的な危機として迫ってきているのだ。

現在、アメリカに流入しているフェンタニルの主な原料供給源は中国であり、メキシコを経由して密輸されている。米政府はこの流れを「現代のアヘン戦争」と表現し、トランプ政権も中国に対して強い経済制裁を発動するなど対抗措置を取っている。中国が供給源となっていることは国際社会でも広く指摘されており、アメリカだけでなく他国への拡散も懸念されている。

日本国内でも、フェンタニル系の化学構造を変えた「危険ドラッグ」が相次いで発見されており、すでに水面下での流通が始まっている。沖縄では未承認の麻酔薬「エトミデート」が広まりつつあり、専門家たちは「日本も危険水域に足を踏み入れている」と警鐘を鳴らしている。

さらに深刻なのは、こうした薬物の蔓延が若者や社会的孤立に悩む人々を中心に進んでいる点だ。日本でも市販薬の過剰摂取、いわゆるオーバードーズが中高生の間で社会問題化しており、薬物へのアクセスが身近になっている現状を無視することはできない。

中国発の違法薬物が今後日本に流入すれば、アメリカのようなフェンタニル地獄が再現される可能性は十分にある。実際に、中国は過去にも違法成分を含む偽薬や有害食品を国外に流通させた前例があり、日本にとっても「フェンタニル汚染」はすでに“対岸の火事”では済まされない問題だ。

国際的な監視体制と国内の法整備はもちろん、若年層への教育やSNSでの広報強化、心理的ケア体制の整備など、多面的な対策が今こそ必要だ。中国由来の薬物リスクに日本がどう向き合うか、それは国民の命と未来を守るための重要な課題である。


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