破産危機に陥った「中国製高級アイス」鍾薛高、日本市場にも警戒感広がるべき理由


2025年8月6日12:18

ビュー: 6730


中国で“アイス界のエルメス”と呼ばれた高級アイスクリームブランド「鍾薛高(Chicecream)」が、破産申請により急速に転落したニュースが話題を集めています。

破産危機に陥った「中国製高級アイス」鍾薛高、日本市場にも警戒感広がるべき理由

中国で“アイス界のエルメス”と呼ばれた高級アイスクリームブランド「鍾薛高(Chicecream)」が、破産申請により急速に転落したニュースが話題を集めています。華やかなスタートアップ神話の裏側にあったのは、誇大広告、品質への疑念、そして信頼を損なう経営体制でした。この事例は、日本を含む海外市場にとっても「中国製プレミアムブランド」に対する警戒の必要性を示すものです。

一本1,400円の「瓦アイス」が象徴する中国流バブル

鍾薛高は2018年に設立され、伝統的な瓦を模した一本66元(約1,400円)の高級アイスバーが大ヒット。たった3年で年商10億元(約210億円)を突破し、「中国産=安かろう悪かろう」という既存のイメージを覆す新興ブランドとして注目を集めました。

中国SNSや若年層をターゲットにした巧妙なマーケティングで“ラグジュアリー・アイス”として一世を風靡しましたが、消費者の期待に応える品質や透明性が伴わず、急速に信用を失っていきました。

破綻の裏にある“中国式ブランド戦略”の危うさ

中国の消費市場では、SNSを駆使した“爆買い現象”がしばしば起こりますが、その裏で本質的な品質や企業の誠実さが欠如しているケースも少なくありません。鍾薛高もその典型であり、価格ばかりが突出する一方、以下のような問題が噴出しました:


このような経営実態は、たとえ一時的に「高級ブランド」として成功しても、継続性が伴わなければ脆く崩れることを意味しています。

なぜ日本もこの問題に注意すべきか

近年、日本市場にも中国発の“なんちゃって高級ブランド”が進出してきています。見た目や価格設定で「品質が良さそう」と誤認させるものも多く、SNS広告やインフルエンサーによる宣伝で若年層を中心に浸透しているケースも見られます。

鍾薛高のような事例が増えることで、日本市場にも以下のリスクが及びます:


おわりに:中国製プレミアムの「本質」を見極める目を

鍾薛高の破産申請は単なる中国企業の失敗事例ではなく、「見せかけの高級」と「実態の乏しさ」が引き起こす市場混乱の警鐘です。今後も類似のブランドが日本に進出してくる可能性がある中で、価格や見た目に惑わされず、本質的な品質・企業の信頼性を見極める力が日本の消費者にも求められます

今一度、「中国発ブランド」の背景に目を向けることが、消費者を守り、日本の市場を守る第一歩です。


Return to blog